第１１章 制裁（江角）
モーリーンもヴェロニカも、何不自由なく極めて贅沢に育った。
それぞれの父親が、アマンダ達による正義の制裁を受けるまでは。
モーリーンの父親は、植民地で現地人を牛馬よりも酷い条件で働かせて綿花を作り、それを自国に輸入することで莫大な富を築いていた。
ヴェロニカの父親はというと、表向きは薬品の商社であるが、その実、植民地にアヘンを蔓延させることでこれまた巨万の富を手に入れていた。
こんな非道は、世間に隠せはしない。
しかし、この悪どい豪商たちは役人に賄賂をふんだんにばら撒くことでその悪行を罷り通して来たのである。
正義感旺盛なアマンダがこれを見逃す筈がない。
精鋭の手下を連れて、それぞれの館を襲撃した。
しかし、一切人を傷つけることはせず、溜め込んだ富を全て奪ったのである。
モーリーンもヴェロニカも家族を失った訳ではなかったが、あれほど好きだった贅沢を我慢しなければならなかった。
そのことで、二人はアマンダに対して猛烈な怒りを覚えていたのである。
本来、そんな怒りは逆恨みに過ぎないのだが、、、。
エルガー提督が、
「例のものの準備はいいな。」
部下の兵士に聞く。
「はっ、閣下、こちらに用意してございます。」
兵士が傍らにあった、２m程の長さのものに掛けられていた布を取り払う。
それは、上下にそれぞれ枷のある鉄製の台であった。
上の枷には鎖が繋がっており、鎖は滑車に巻かれるようになっている。
「それ、この女を台に乗せろ。」
エルガー提督の命令に、兵士とアマンダを連行してきた大男が従う。
アマンダは抵抗虚しく、台の上下の枷に両手と両脚を固定されてしまった。
「提督、面白いものを持ってきたのね。」
エスメラルダが楽しげに、台の滑車の具合などを確かめる。
「別の船で運ばせたが、苦労したぞ。」
提督が台を軽く叩きながら、満足げに目を細める。
アマンダは手足を固定されながら、これがどういう器具かを理解していた。
魔女の審問に使われたという、世にも恐ろしい人間引き伸ばし器であった。
「さあ、このご令嬢達から奪った財宝の在処を吐くんだ。」
提督はそういいながら、兵士に命じて手枷の滑車の歯車一枚分を巻き上げさせる。
ギリッ！
「っふん。」
体を上下に極限まで引き伸ばされたアマンダが、小さく呻く。
「元はといえば、弱者から掠め取った金銀、財宝。決して渡すもんか！」
アマンダが、気丈に答えを返す。
「何よこの女、何て言い草なの。」
アマンダの気の強さに苛立ったヴェロニカが、やおら椅子から立ち上がる。
そして、手にしていた扇を閉じるとその柄で、アマンダの腹部を強かに打ち据えた。
乾いた打擲音が響く。
それと共に、
「うっ。」
力の弱い女性の打撃とはいえ、伸張の極限状態にある体の中心部を叩かれたアマンダの衝撃は絶大だった。
ヴェロニカの行動に触発されたか、モーリーンも立ち上がり、
「ほんとに忌々しい女だわ。」
ヴェロニカと同じように扇を振るう。
しかし、モーリーンが狙ったのはアマンダの左上腕だった。
「っきゃ。」
ヴェロニカのそれが幅広のベルトの上だったのに比べ、モーリーンのそれは素肌が晒されている場所である。
アマンダは衝撃と共に、皮膚表面への鋭い痛みも味合わされた。
「提督、お嬢様方にも参加して貰った方が良さそうね。異存はないでしょ。」
嗜虐心の強いエスメラルダは、引き伸ばしだけでなく打撃も併せることでさらに効果があがると考えたようだ。
「無論、構わんよ。後は任せた。」
提督はさっさと椅子に腰掛け、旨そうに赤のワインを楽しみ始める。
「こんなもんじゃ面白くないわ。例の鞭を持っておいで。」
エスメラルダは、手下に新たな責め具を要求する。
暫くして戻ってきた手下は、先が九本に分かれ棘が無数についている皮製の二本の鞭をエスメラルダに手渡した。
エスメラルダは、
「お嬢様方、これで存分にこの女を踊らせるといいわ。」
モーリーンとヴェロニカ、それぞれに柄を握らせる。
先ずは、モーリーンがアマンダの大腿部を狙う。
ビシッ！
アマンダが身に着けているドレスの絹の一層など、一溜まりもない。
線状に裂け、一条の鮮血が迸る。
「ッグギャー。」
アマンダが大きく叫ぶ。
その叫びが、ヴェロニカをさらに掻き立てる。
ヴェロニカの鞭は、右上腕に振り下ろされる。
「ッグギギャアー。」
アマンダの声のボリュームが上がる。
そして一息つく暇もなく、手枷の滑車の歯車が一枚、また一枚と引き絞られていく。
遂には、アマンダの体中の関節が悲鳴を上げる。
アマンダ自身の耳にも、関節が外れる音が届いていた程だった。
| 画像掲示板ﾚﾝﾀﾙ ｜アダルト無料ホームページ |
| 画像掲示板ﾚﾝﾀﾙ ｜アダルト無料ホームページ |
